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自覚

ベッドに組み敷いた裸体は眩暈を起こしそうな程に美しくて…今まで抱いてきた女なんか、何処かへ吹っ飛んでしまった。 酔いが回ってほんのりとピンク色になった頬を撫で、柔らかな髪の毛に指を差し込んで撫で回す。 花に寄せられる蜜蜂のように吸い付いた唇は、蠱惑的に開き、ぐちゃぐちゃに犯した口内から零れ落ちた、その唾液を堪能する。 赤く色付いた乳首を舌で転がしながら、濡れそぼった屹立を扱いて1回イかせた後、舌と指で解した後孔に、ずぷずぷと俺の怒張した楔を打ち込み、2度3度と絶頂に導いてやる。 あの心地良いテノールが甲高くなり、同時に俺の楔から放たれた種が、彼の身体の奥深くまで浸透していった… あれ?ここ、何処だ? あー、俺の部屋か…ん?課長は? 隣にいるはずの人を探るが、シーツの感触しかしない。 夢!? 下半身の気持ち悪さに飛び起きて布団を捲れば、色を変えた下着と青臭い匂いが むわっと鼻についた。 うわ…この年で夢精か………恥ず…オマケに課長でイくなんて。 頭が痛い… どうやって帰ったのかも、課長に何と言って別れたのかも、全く記憶がない。 こんな二日酔いは記憶にないくらい久し振りだった。 結局、土日の休みも、俺の頭の中は課長のことで頭が一杯で、その後何度も課長でヌいた… 俺、本当にヤバいんじゃないだろうか… 部屋に充満する雄の匂いを振り払うように、逹する度に窓を開けて、芳香剤を2日で一本使い果たした… 悩んで考えて考えて悩んで悩んで考えて 出した結論は… 『俺は課長に恋をした』 殴られても蹴られても、あのヒトを俺のものにするまで、アタックする! 同棲する恋人がいても構わない。 絶対に…惚れさせてみせる。 そう意気込んで出社した月曜日。 「おっ、おはようございますっ! かっ、課長!金曜は失礼をして申し訳ありませんでしたっ!」 「…え?何のこと?悪いけど飲んだくれてた以外に覚えてないよ。 …まぁ、何でもいいから、今日行く所の資料揃えておいて。」 いきなりの肩透かしを食らった。 俺の頬の痛みと欲望と恋心と決意を一刀両断にされた。 アレをないことにするのか? 冗談じゃない。 沸々と湧き上がる征服欲。 待ってろ。 心を許して身体も許すように、従順な部下を演じてやる。 今にその顔をとろとろに溶かして、跪いて俺を欲しがらせてやる。 俺なしではいられないように。 ぎりりと歯を噛み締めて深呼吸すると、あのヒトの望む仕事に取り掛かった。

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