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第35話

「──!」 え…… それじゃあ、白川は…… 隣町の駅で見掛けた、白川の横顔。学校の職員室のドアを開ける、白川の背中。 小山内の隣に立って写る、気恥ずかしそうな表情の白川。公園のベンチで背中を丸め、涙ぐむ白川。不安げに瞳を揺らす白川。 小山内の名前を口にする度に、頬をピンク色に染めて。はにかんで…… 走馬灯のように、次々と思い出される白川の姿に、熱いものが胸に込み上げる。 「……」 どんな事情があったのかは、知らない。 だけど白川は……やっとの思いで、父親とこの村から逃れられたんだ。 ……ただ、小山内に会う為に。 ただそれだけの為に。 きっと沢山の勇気を振り絞って、この村に来た筈なのに。 ──その結果が、これかよ……! 何だよ。 何なんだよ、コイツ。 おかしいだろ。 異常すぎるだろ。 ……離れろ。 今すぐ白川から、離れろ!! ……はぁ、はぁ、はぁ、 服を全て脱がせ、脱力した白川の膝裏に手を掛け持ち上げる。 涎を垂らして息づく、男の反り勃ったモノ。太腿を抱えて引き寄せながら下肢の間にそれを宛がうと、ふぅふぅと汚らしい呼吸を繰り返す。 「挿れるよ、光」 ズ、ズズ…… 白川の後孔に押し込む度に、漏れる男の小さな嬌声。 「………あぁ、きもちいい…… 光のナカ、熱くてトロトロしてるよ……」 「……」 「ほら……光も、気持ちいいだろう?」 サラ…… 片肘で上体を支えながら、恍惚とした表情の教師が、白川の前髪を掻き上げる。 「これからは……ずっとここで、僕と暮らすんだ。……二人で、幸せになるんだよ」 「……」 「僕の事は、先生なんて呼ばなくていい。……昔みたいに、『ケイくん』って呼んでいいんだよ」 「……」 その手が白川の頬をそっと撫で、それまでとは違う……優しげな笑顔を覗かせる。 ──ズン、 ズッ、ズッ、ズッ…… ……はぁ、はぁ、はぁ 白川の片足を肩に掛け、男が容赦なく腰を打ち付ける。 その度に大きく揺さぶられる、足と身体。 見開いたまま……光を失った瞳を天に向け、全てを諦めたように動かない。 「ひかる……」 「……」 「……愛してるよ、光」 片手を付き、上から白川の顔を覗き込んだ教師が、半開きの唇を貪った。

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