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せやから嫌やってん
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「おまっ、諮ったなこの野郎。」
「先に諮ったのは康太でしょ。嘘寝なんてしちゃってさぁ、そんなに俺とするの嫌?気持ちよくない?それとも飽きた?」
不安そうに聞いてくる声に耐えかねて体を反転させる。
視界に入る悠の頭に垂れた耳、腰にシュンとなった犬のしっぽが見えるのは錯覚や。うん、錯覚。
「ちゃうわ。」
「じゃあなんで?」
ガシガシと頭を掻きながら起き上がって胡坐をかく。
「あんな?今日飲んだやろ?」
「うん。」
「俺別に酒弱ないし、飲んでからヤることもままあるやん。」
「うん、そうだね。」
「でもな?酒飲んだ後、暑い中ヤるとな?意識飛ぶねん。」
「え。」
「前ふらついてた時に何回かそういうことがあってな?」
とっかえひっかえのワンナイトラブが日常茶飯事だった頃の話はあまり悠にはしていない。俺が悠やったらそないな話絶対聞きとうないから。
でも言わんで不安にさすくらいなら、言ってムッとされた方がいいのかもしれん。
「ベッドインして乳繰り合ってたところまでは覚えてんのに、挿入からの記憶がごっそりないねん。もちろん、すっきりしてるし、違和感はあるし、ヤることヤったンは確かやねんな。」
「それって…。」
「うん、意識飛んだまま、何がどうなってるかわからんままシてたんや。」
「……。」
そして毎度
「今日のコウはいつにも増してかわいらしかったよ。」
と言われる。いったい何やらかしてたんや俺は。それに、
「俺は、お前とするときはどんなことでもちゃんと記憶もっときたいねん。お前との思い出は全部、手の内に残しときたいねんな?せやから…うわっ?!」
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