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第7話 仕返し

「歯立てんな」  差し込まれた二本の指は内側の?を擦り、舌を摘まれ、そのまま下の窪みの柔らかい部分を激しくかき回した。 訳のわからない興奮をしているのは僕を見つめる隼人さんが少し嬉しそうに口許を緩ませているからだ。 「お前、キスもしたことないの?」  緩めた口端の片方だけ上がる。 馬鹿にしているように聞こえるけど、声が異様に優しい。 飲み込めない唾液を溢さないように声を出さずにコクコクと頷く。 隼人さんが指の差し込まれた口に視線を落とすと口を小さく開き僕にキスをしてきた。 僕はビクリと身震いをする。 咥えられたままの指と指の間からヌルリと舌が入って奥まで突っ込んでくる。 「あ……っんん……ぐ」  舌は僕の口内を指同様にいっぱいにさせた。 別の生き物みたいに僕の舌にヌルヌルと絡みついてくる。 思わず舌を引っ込めると差し込まれている二本の指に捕まって無理やり引っ張り出され吸い付いてくる。 息が出来なくて流れ込んでくる唾液を思い切り飲み込むとゴグッと喉が鳴る。 苦しくなって僕は隼人さんを押すように小さく抵抗した。 「ふあ……はぁ、はぁ、……ん」  ようやく唇が離れると今度は僕が肩で息をしていた。 「鼻で息しろよ」 「む、むいぃ……」  口には指が突っ込まれたままでうまくしゃべれない。てっきり怒っていると思い僕は涙目で隼人さんを見上げる。 「ん?」  またこの顔。片方だけの口角が上がって声だけが異様に優しい。 「は、はや……さ」  必死で謝ろうとすると口に入っていた指がヌルリと抜けた。 見ると隼人さんの掌まで僕の唾液が垂れている。 トロトロの指で僕の唇をなぞる、ヌルヌルしたそれは滑りがよく僕は自由になったばかりの口をまた開けて思わずまた迎い入れてしまいそうになる。 それを見つめる隼人さんは再度唇を重ね舌を入れてきた。

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