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第7話 仕返し
「あ、はぁはぁ……ん……いっ」
僕が思わず声を上げると見つめられる視線がストンと股間に落ちる。
すると上下に扱かれる動きが一層激しくなった。
擦られている自分のダラダラと垂れ流す体液が涎よりも粘着質で、くちゅくちゅと一層激しい音を立てる。
「んんっ……ほんと、っあ……れちゃうって」
「聞こえねえって、ほら」
押し寄せる快楽の波を必死で抑えているのに、僕のモノを根元から押し上げて先の部分を短く上下させる。
その度に背中に中心に虫が這ったようにゾクゾクと鳥肌が立つ。
隼人さんも自分でする時にこうするんだろうか。
「多衣良、舌出してみ」
ここで名前を呼ばれるのは反則だと思いながら、言われた通りに控え目に舌を出すと指を抜かれてそのまま首の後ろに腕を回された。
顔が近づくと涎まみれになった僕の舌を吸い出した。
ジュッと音を立てて、開けっ放しの僕の口から声が漏れ出す。
僕はいやらしいその音を聞いてさらに興奮し、瞬く間に限界を迎えそうになっていた。
足をガクガクと震わせて、全身が粟立つ。
塞がれた口を引き離し、だらしなく唾液が顎に垂れていく。
「イッ……」
女のような吐息を我慢できずに果てた衝動にビクビクと身体を震わせる。
目を開くと、モノを掴んでいた隼人さんの手に僕の精液がべったりと付いていた。
肩で息をして体は熱いのに芯は血が引くように寒くなって、僕は小さく身震いをした。
隼人さんを見る。
「童貞くんは早漏だな」
汚れた手をティッシュで拭きながら、そういった隼人さんはいつもの顔に戻ってしまった。
話しかけようとすると「怠いから寝る」と背を向けられた。
僕はこうなった状況がまだ冷静に考えきれないでいた。
そのうち、スウスウと寝息を立てられる頃には僕にも射精後の気怠さがやってきて、眠る事にした。
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