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第31話
「これは、仕置きだからな」
肉と肉がぶつかり合う音に混じって、輝夜が呟くのが聞こえた。
触れたいのに、触れられる距離に居るのに、もどかしい。竜巳は歯噛みしながら真っ白な視界の向こうに居る男を思った。
「俺の好きに、させてもらう、ぞ……」
いつも好きにしてるじゃないか、という言葉が浮かんだが、快楽の波に押し流されてすぐさまどこかへ消えてしまった。
打ち込まれた楔は、中から焼けてしまいそうなほど熱を持っている。その熱に身を焼かれたまま達したい――竜巳は強直を飲み込んでは引き抜かれるのを繰り返しながら、快楽を貪った。
「っ、っあ、ぅ、ぁ……!」
「しかし、まあ」
「っ――――!」
輝夜が一層強く腰を打ち付けた直後、最奥にその猛りの熱が注ぎ込まれた。その熱に呑まれるように、竜巳の先端から白濁が迸り、全身からがくりと力が抜ける。
「――極楽の淵ぐらいは見せてやろう」
輝夜の猛りは、熱を放出してなお、竜巳の中で芯を持っている。
――女ではないものの、こうして抱いてくれる。
――“くれる?”
竜巳はそんな胸のざわめきを黙殺したまま、輝夜の気の済むまでその身を委ね続けた。
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