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第37話
「い、今、なんて」
「条件付きでいいならば、お前も連れていってやろう。……なんだその顔は」
「いや、だってあんた、俺が遠出するの嫌がるし……!」
「条件付きだと言ったはずだ。俺と共に行動するのも条件のひとつだぞ。それでもいいなら連れて行ってやろう。……家に籠ってばかりもよくはないからな」
竜巳は今度こそ浮足立った。頬が自然と緩む。
「どうだ、行くのか。それとも留守番がいいか?」
「い、行く……!」
竜巳は浮足立ったまま、その袂に縋りついた。輝夜が笑う。
「よし、楽しみにしておけ」
「ああ!」
意気揚々と頷いて仕事に戻ろうとしたところを、輝夜に止められるてしまう。結局、その日の洗濯仕事は心配した輝夜にとられてしまったのだった。
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