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出会いは突然
「歩様、お食事です」
この屋敷の使用人が毎朝食事を
持ってくる。1日に一回しか
ご飯を食べることはできない。
「ありがとう」
昔はこっそり昼間も用意してくれて
いたらしいが、いつの間にか
来なくなっていた。
ご飯を食べ、うっすらと見える
空を見ていると、黒い雲が
広がっていくのが分かる。
「何だ、お前は?!」
何やら、騒がしい。急にドアが
開くと自分よりも大きいな人が
近づいてきた。
「お前が歩か」
「は、はい」
返事をしたあと、腕を掴み部屋から
連れ出された。初めて外に出た感覚は
不安と期待が入り交じっていた。
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