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王の部屋
腕を掴まれ、馬車に乗ると人の雰囲気
が多くなっていくのが分かる。
「お前、本当に目が見えないのか」
「は、はい。小さい頃からはっきり
とは見えません」
まだ、質問されるのかと思ったが
それ以外何も聞かれなかった。
あれから、何時間が経ったのだろう。
手を繋がれ奥の部屋に入るとベッド
に座らされた。
「ここが、今日からお前の部屋だ。
足には鎖をつける」
「えっ、やだっ。外に出たい」
ベッドから離れようとしたが
腕を掴まれ、後ろから抱き締め
られた。
「駄目だ。外に出す事は出来ない
お前は大事な生け贄なんだ」
「いけ、にえ?」
母から聞いた事がある。人間 の世界
と化け物の世界があり、統一しようと
戦争をした。結果は人間が負けた。
それから、人間から生け贄を出す
事が決まったと聞いている。
「そうだ。お前が逃げれば、国を
滅ぼす」
「いや、それはやめて!!」
「ならば、大人しく我の言う事を
聞け。いいな」
はいと返事をすると、鎖をはめて
部屋から出ていった。始めての
連続だったので、いつの間にか
寝てしまっていた。
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