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普段の生活

「歩様、今日はどの本にしますか」 国王は邪険に扱うどころか 歩に教育を受けさせていた。 幼い頃から閉じ込められていた 歩にとって、様々な国の本を 聞くことはとても興味深い ものだった。 「(せい)、今日は歴史の本 がいい」 「かしこまりました」 星は歩専属の執事だ。最初は お互いに緊張していたが 徐々に慣れ、今では教師役も 担っている。 「歩様は、真面目に聞いてくれる ので読んでいて楽しいです」 「星の声は心地いいからと時々 眠りそうになるけどね」 人との関わりがなかった歩にとって ここでの生活は幸せに思えた。

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