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chapter 01 [being]
僕の容姿、ね。肩まである波打つ黒い髪と大きな目は母さん譲りなんだって。年を重ねる毎に母親に似てきたと、村の人達は口々にそう言う。
父が愛した女性はもうこの世にはいない。亡くなった当時のことを忘れたくても母によく似た僕がいる。僕を見るたび悲しくて、辛くて――。だから父はその悲しみをお酒で誤魔化す。このまま僕が側にいれば、父も身体を壊し、命を落としてしまう危険性がある。
僕は厄介者。だけど母の命を犠牲にして生まれた。自ら命を絶つことも許されない。
だから今日。長老たっての願いで、僕は父の元を離れ、幽霊屋敷で住み込みで働く。
すべては皆のため。
この命を犠牲にして人様の役に立つことこそが僕の命のあり方なんだ。
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