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chapter 02 [the room]
やがて目の前にやって来たのは、正装姿の白髪で細身のおじいさん。目尻に皺があって、なんだか優しそうな人だ。ここが幽霊屋敷だなんて思えないくらい……。
「あの、僕は――」
ダメだ。名前を名乗ろうにも頭がぼうっとしてうまくしゃべれない。
そんな僕に、おじいさんはにっこり微笑んでから頷いた。
「ウィル・リーヴィス様でございましょう? ようこそお越し下さいました。執事のサキュロンと申します。大変申し訳ございませんが主人はただ今席を外せず、代わりに私がご案内するよう申しつけられております。さあ、お疲れでしょう。ウィル様のお部屋はもう準備できております。どうぞこちらへ」
おじいさんに案内されるがまま螺旋階段を上る。踊り場に出ると、茶色い扉がいくつも連なっている。
一番奥の部屋。
執事のサキュロンさんはゆっくりドアノブを回して開けた。
「こちらでございます。どうぞお好きなようにお使いくださいませ。では、私はこれで失礼します」
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