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chapter 03 [host]

 室内を見回しても掃除道具は一切見当たらない。  ふと窓を開けると、外はふくろうが寂しげに鳴いている。昨日よりもちょっぴり膨らんだお月様が見える。外は夜だった。 「大変! 寝過ごした!!」  まさか丸一日寝ていたなんて想像もしていなかった。慌ててベッドから飛び起きると、部屋にひとつしかない出入り口へと走る。  それはそれはとっても慌てていたから、勢いよくドアを開けた。すると目の前に、白髪の髪を後ろに撫でつけた執事のサキュロンさんが立っていた。彼は初め驚いた様子で僕を見下ろしていたけれど、コホンと咳払いをすると静かに口を開いた。 「ご主人様が晩餐室でお待ちかねです。こちらにお着替ください」  サキュロンさんの腕にお洋服一式が引っかけてあった。 (えっと――……) 「このお洋服を、僕にですか?」  サキュロンさんから手渡されたお洋服はレースがついたチュニックとチェック柄のジレ。膝丈のキュロット。これらは全部シルクでできていた。

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