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息子と花のせんせ

実家のあるみろく市の給食は、小学校は各校で調理し、中学校は、市内二ヵ所にある給食センターで一括調理し、各校に配送している。米飯と、パンだけは、市内の七つのパン屋が手分けして分担し、各小中学校へ配達するシステムをとっている。 蓮を連れ、実家に戻り、早いもので、二か月。 知り合いのつてを辿り、丸菱パン店に再就職して、ようやく一か月と少し。 お袋には、葵くんを頼ったら⁉ 幼稚園の園長先生なんだし。 そう言われたけど、それだけは、どうしても避けなければ。 幼馴染みだからこそ、俺にもプライドはある。 「着いた‼」 蓮が歓声を上げた。 「急いで納品してくるから、じっとしてんだぞ」 息子にそう言い聞かせ、車から下りた。 でも、戻ってきた時、既に息子の姿はなかった。 「たく、蓮のヤツ‼」 納品は十分と掛からない。 「危ないから、一人で行くなって、いつも言ってるのに」 車を邪魔にならない所に駐車して、校舎を半周し、校庭にある花壇に向かった。

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