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息子と花のせんせ

蓮が初めて、彼に声を掛けた日も、同じ眼差しをしていた。 一方的に喋り続ける蓮に対し、彼は、除草作業の手を止め、同じ目の高さで、時折、相槌を打ちながら、ずっと話しを聞いてくれた。 「うちの小学校にも、蓮くんと同じ、軽度の発達障害のお子さんが二人いて、児童数が少ないので、支援学級はありませんが、クラスのみんなで、その子を支え合っているんです。僕で良ければ、いつでも声を掛けてください」 いつも、ニコニコして、笑顔の迎さん。 だからこそ、蓮は、彼を気に入ったのかもしれない。 帰りたくない、と駄々を捏ねる息子を、迎さんからなんとか引き離し、会社へ戻った。 ブスッと、頬っぺたを息子を見た、社長の奥さんが、大好物のプリンをおやつとして出してくれた。 すると蓮はにっこり。 すぐに機嫌を直してくれた。 切り替えが難しいのも息子の特性だから仕方ない。 周りのみんなに助けて貰い、今があるのだから、感謝しないと。

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