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美男子に化けた幼馴染みとの再会
「こら、待て‼」
風呂から上がるなり、蓮は素っ裸のまま脱兎の如く逃げ出した。急いで服を着て、バスタオルと下着を手に追いかけた。
子育ては、まさに、体力勝負。
カミサン、よくやってたもんだ、つくづく思う。
「蓮、着替えしないと」
リビングに逃げ込んだ息子の後を追い、中に入ると、ソファーの背もたれに深く腰を沈め、長い足を組んだ葵がいた。
しかも、腰にタオルを一枚巻いただけの格好で。
「あっ、葵‼人んちでなんちゅう格好してんだ」
目のやり場に困るとは、まさにこの事で。
蓮は、彼の隣で、ポンポンとジャンプしたり、膝の上に乗ったりして、歓声を上げていた。
葵は、そんな蓮を叱ることなく、笑顔で眺め、遊び相手になってくれていた。
「俺の服、乾燥機に掛けて貰ってる。さっきまで、毛布を羽織ってたんだが、暑くて」
「だからといって・・・」
はしゃぐ蓮の顔を見たら、それ以上、文句は言えなかった。
迎さんと同じで、初対面なのにも関わらず、ここまでなつくとは意外で。
まぁ、ほしみや幼稚園の園長先生だもの。
子供を手懐けるのは造作もないことか。
「そのいち、気が向いたら、服を着るだろう。無理強いをすると、かえって良くない」
「あぁ、そうだな」
「それはそうと真生」
葵の顔付きが変わった。
「まずは座れ」
「なんで、自分の家なのに、指図をされないといけないんだよ」
「お前に話しがあるからだ」
威圧的な態度にムカついたけど、抵抗したとこで、彼に叶うわけがないのは、昔から分かりきっていることで。
渋々、彼と差し向かいに、ソファーに腰を下ろした。
「真生、いつになったら、俺の幼稚園に、蓮を連れてくるんだ?こっちは、年長組に付ける必要のない、補助の先生を配置して待っているというのに」
「はぁ⁉勝手に決めるな。お前の幼稚園には預けない」
「真生の事だから、どうせ、プライドがああだ、こうだ、言ってるんだろうが、それは、親のエゴだ。今のうち、集団生活に慣れておかないと、小学校に入学してから苦労するのは蓮の方だ。どうせ、支援学級にいれるからいい。そうじゃないだろ?支援学級だって、クラスメイトは何人かはいるだろうし、どっちみち、集団生活を送るようになる。蓮の事は、俺と、補助の・・・大ベテランのみち先生とで責任を持って面倒をみる」
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