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美男子に化けた幼馴染みとの再会

「蓮、早く、タオルを返しなさい‼」 「れんとおじちゃんいっしょ‼はだか!はだか!」 キャッキャッと黄色い声を上げる息子に対し、葵も終始笑顔だった。 「おじちゃんじゃないよ。お兄ちゃんだよ‼」 蓮の脇の下をコチョコチョし始めた。 蓮は体をくねくねさせながら、くすぐったくて、更に歓声を上げた。 「蓮も!葵も!」 怒るはずが、ぷぅと、思わず吹き出してしまった。 蓮の楽しそうな顔を見たら、怒るにも怒れない。 「二人ともお願いだから、服を着てくれ」 最後は拝み倒すしか手立てはなかった。 ほしのみや幼稚園は、俺が産まれた年に開園し、今年で、創立三十五周年を迎えた。 葵も、俺も、ここの卒園生だ。 二代目園長だった、葵の叔母さんが、病気を理由に引退したのが去年の春。 子供がいなかった為、葵が後を継いだ。 お袋の話しでは、それまで入園する子供が少なく経営がかなり厳しかったみたいだ。 それが、葵が園長になった途端、入園希望者が殺到したらしい。 『葵くんの笑顔が園児のママたちを虜にするみたいよ。あれだけイケメンなのに、まだ、独身だし』 てっきり妻子持ちだと思っていたから、まだ独身だと聞いて驚いた。 イクメン間違いなしなのに。

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