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はじめてのおとまり
「なら、パパ、りょうにいにと、けっこんちたら?」
「それ、いいかも・・・って、待て、蓮。その言葉、どこで覚えて来たんだ!」
「ん!?」
「ん!?じゃないだろう蓮。とぼけないで、パパに言いなさい」
息子にプイっとそっぽを向かれ、俺も、涼太も、どうしていいか分らず、一瞬、気まずい空気が流れた。
「取り敢えず、ご飯食べて、一緒にお風呂入ろうか?」
「りょうにいにと、おふろ!?ほんと!?」
「うん」
「やったーーぁ!!」
流石、涼太。
子供の扱いは手慣れたもの。
蓮の笑顔と共にこの何とも言えない空気を一掃してしまった。
「じゃあ片付けは俺がする」
「え~、パパ、だいじょうぶ?」
「パパだって茶碗くらいは洗えるぞ」
普段、家で何もしていないのがバレバレで、情けない事に息子に心配されてしまった。
そんな、変な親子を、涼太は、頬杖をついて笑いながら眺めていた。
「パパ、パパ」
ドタバタと、いつもの様にお風呂から裸で逃げてくる蓮。
「おうちとは違うんだよ、静かに」
「パパ、パパ、りょうにいにのすごいんだよ」
「蓮、パパのお話しを聞こうね」
何にそんなに興奮しているのか、全く聞こうとしない。
「じゃぁ、何が、凄いんだ!?」
「あのねぇ、こんなにおっきいの、りょうにいにのおちんちん」
両手をいっぱいに広げる蓮。
最初、何を言ってるのか分らず。
よくよく考えてみて・・・。
「れ、蓮!!」
連呼される前に、慌てて息子の口を押えた。
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