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涼太の告白
「真生は、そういう所が鈍感だね。男心を分っていない。彼は性的な意味で、真生を好きなんだよ。勿論、僕も」
「性的って・・・つまり・・・その・・・」
葵にも、男心を分っていない。確かそう言われた。
でも、葵が・・・まさか、そんな・・・。
嘘だろう!?
にわかには信じられない事を、涼太に言われ、どう言葉を返していいか戸惑った。
「この前、ファミレスで宮尾さんにはっきり言われた。真生と蓮は俺のだって。僕だって真生の事、彼に負けないくらい好きだよ。ねぇ、覚えている?最初に出会った時の事。給食室が分らなくて僕に声を掛けてくれたよね?僕は右側ですって教えたのに、何故か左に行って、同じところを行ったり来たりして、その姿がおかしくて、面白い人なんだって思った。その後、サイドブレーキの解除の仕方が分らなくて、また、右往左往して・・・。ペーパーなのに、ハイエースに乗ってて大丈夫なのって、心配で心配で。気が付いたら、真生の姿、目で追っていた」
涼太はそこで言葉を止めると、蓮へ視線を落とした。
「蓮くんが真生の子供だって知って、まず奥さんに嫉妬した。なんでまた、妻子ある人を好きになるのかなって・・・そのあと、バツイチだって知って、すごく嬉しかった。出来る事なら、真生と蓮くんの側にいたい、決して望んではいけないことなのに、今、こうして、蓮くんがいて、真生もいる。この幸せを手放したくないの。遊びでもいい、愛人でもいい、セフレでも・・・僕と付き合ってほしい」
「涼太・・・」
「いきなり言われても困るよね。蓮くん寝せてくるね」
言葉に詰まった俺を気遣ってか、涼太が、蓮を抱っこして、隣の部屋へ向かった。
彼は、嫌な顔せず、蓮の世話をしてくれる。
一緒に遊んでもくれる。
何より、息子の障害にも理解を示してくれる。
今、彼の手を離したら、絶対後悔する。
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