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幼馴染みの急変

「どうした?」 別れてそんなに時間は経っていない。 『何か、真生の声、聞きたくなって・・・。さっきまで、賑やかだったから、その・・・寂しくて・・・ごめんね。忙しいのに・・・』 蓮一人に振り回される毎日。 でも、昨日、今日と楽しくて。 きっと、彼がいてくれたから。 だからこそ、彼が望むようにしてあげたい。 「涼太、なるべく早く、一緒に暮らすことを考えないか?」 『本当?嬉しい!』 「週末にでも話し合おう」 『うん!分かった!』 涼太と会話しながら、何気に顔を上げると、鏡に、葵の顔が写っていた。 『真生、どうしたの?何かあった?』 「いや、なんでもない。悪いけれど、あとで掛け直す」 電話を俺の方から一方的に切った。 ごめん、涼太・・・。 「りょうにいにって、迎っていう、用務員の事だろう?」 葵は、怒りを通り越して、悲しい眼差しをしていた。 もし、涼太の言う通りなら、彼にちゃんと伝えないと。 「あぁ、そうだ。迎涼太。彼、七つも年上の俺の事、好きだって言ってくれて・・・。ほら、蓮も懐いているし、すごく家庭的で・・・一緒にいたくて、付き合う事にしたんだ。あ、葵!」 気が付けば、彼のその大きな体にすっぽりと抱き締められていた。 「葵・・・?」 今起きていることが信じられなくて。 目をパチパチしながら、幼馴染みの横顔を唖然として眺めていた。 「俺と、迎、何が違うんだ。俺にだって、蓮は懐いているし、家庭を大事にしたいと思うのも一緒」 背中に侵入してきた葵の手が、あちこち撫で始めた。 「ちょっと、待った!!どこ、触っている!!」 体が勝手にぴくぴくと震える。 「そっかぁ、分かった。体の相性か?」 「はぁ!?」 急に何を言い出すかと思ったら・・・・。

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