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葵の情愛
「俺みたいなおっさんのどこがいいんだ。幻滅する前に止めておけ」
「35歳は、まだまだ、男盛りだよ。真生を見ているだけでこっちはほら・・・」
そう言って、下半身を俺の下腹部に擦り付けてきた。
彼の雄は、すっかり屹立し、服越しでもはっきりと分かるくらい固くなっていた。
「それに、真生の肌、すべすべ、艶々で、まさに珠のような肌だよ。今すぐにでも噛み付きたいよ」
「葵、頭、大丈夫か」
「おかしくさせているの、お前だろ。迎に抱かれて、ますます色っぽくなった・・・そそられる」
「何だ、それ・・・う・・・う、う!!!」
次の瞬間には、葵の口唇が、俺の唇に押し付けられていた。痛いくらい、力強く抱きすくめられ、手足をジタバタして抗うも、力の差、体格の差は歴然としていて。
「・・・真生・・・愛してる・・・」
耳元に熱い息が掛かり、甘噛みされた。
「ちょっと、葵」
「ずっと、ずっと、好きだったのに・・・」
葵の苦しい胸の内を打ち明けられ、俺まで苦しくなってきた。
共に過ごした時間が長かった分、痛いほど、彼の気持ちが分かるからーー。
「・・・ごめん・・・」
謝るしか出来なかった。
「センセ、めっけ!!」
「れ、蓮!」
ひょっこり息子が現れて、慌てて、彼の体をどかそうとするもビクともしない。
「なんだ、パパに隠れていたの、見つかっちゃったか。じゃあ、今度は先生が鬼だから、蓮は隠れる番」
「は~い!!」
元気いっぱいに返事して、バタバタと何処かに走って行った。
「葵、離せ」
「やだね。やっと捕まえたのに、そう簡単に離す訳ないだろうが」
チュッと、首筋に葵の口唇が押し付けられた。
その瞬間、背筋をゾクゾクしたものが駆け巡っていった。
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