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葵の情愛
「俺も好き・・・葵の事、愛している」
その瞬間、彼のがグンと大きくなった。
「え!?嘘!」
慌てる俺にはお構いなしで、葵は、二度、三度ズンズンと、奥を穿つように立て続けに腰を打ち付けてきた。
「あ、あ、あぁぁ・・・・っん!」
一際甲高い声が上がり、彼の背中を掻き毟る様に抱き締め、彼の腹へと白濁を放った。
同時に葵も、俺の腹の奥に、熱く滾るモノを放った。
ずるっと後ろの蕾から、葵のがぬたりと抜け落ち、どろっと生温かな白濁が流れ出て、シーツに大きなシミを作っていった。
――女だったら、間違いなく孕むな・・・
そんな事を思いながら、力の入らない腕を投げ出し、その場に崩れ落ちた。
息が、苦しい。
「蓮に、あおにいにって呼ばせる、いいな?」
「勝手にしろ」
「あぁ、勝手にさせて貰う。俺たちは、晴れて恋人同士だし・・・なぁ、真生ちゃん」
相原の真似をするな!
お願いだから。背中がムズムズするんだよ。
「何、恥ずかしいのか?顔、真っ赤だぞ」
「薄暗くて見えないだろう!」
「相変わらず、男心が分かっていないなぁ~真生ちゃんは」
苦笑いを浮かべる彼に、一言言い返してやろうと思ったら、唇を塞がれた。
「可愛くない事ばかり言うと、また挿れるよ」
葵は冗談は言わない。
もう、これ以上は無理!
「・・・ごめん」
「素直で宜しい」
汗で濡れた髪を指で掻き分け、額に口付けをして、俺の体をぎゅっと抱きしめてくれた。
「葵!?」
彼は何も答えなかった。
ただ静かに目を閉じていた。
すーすーと、蓮の穏やかな寝音がようやく耳に入ってきた。
互いの心音がやけに喧しい。
「真生、シャワー浴びてこようか?」
しばらくして、ようやく葵が口を開いてくれた。
さっきまで俺に固執し、激しい感情を剥き出しにしていた彼とは全く違う、穏やかなーーいつも、蓮にだけ見せる優しい彼の姿がそこにあった。
(ごめんな・・・)
何度も、繰り返し、耳元で謝っていた。
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