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後悔と後ろめたさと
「パパ、大丈夫!?」
後ろに乗り込むと、運転手席と助手席の間からひょっこりと顔を出してきた。
「うん、大丈夫だよ」
「よかったぁ。りょうにいに、あのね、きのう、えんちぉせんせいが、れんのうちにおとまりしたんだよ」
「そうなんだ」
あれ!?
涼太のヤツ驚かない?なんでだ?
「蓮くん、ちゃんとお座りして、シートベルトをして。パパ、具合が悪いから、お医者さんにいかないと」
「はぁ~~い!」
車が走り出すなり、涼太の手が俺のに重ねられ、そのままぎゅっと握り締められた。
心なしかその手は微かに震えていた。
「これでも僕、すごく腹が立っているんだよ。真生じゃなくて、宮尾さんに」
「・・・・ごめんな、涼太」
蓮を迎えに行った時、葵がいたんだろう。
あいつの事だ。彼に堂々と交際宣言をしたのだろう。きっとそうだ。
「でも、真生は、こうして僕を頼ってくれる。蓮くんの事も、宮尾さんに頼めば手っ取り早いのに、僕に頼んでくれた。だから、今回の事は目を瞑るから、その代わり、今週はずっと、僕の側にいてくれる?」
「・・・あぁ、分かったよ」
「宮尾さんとは、なるべく会わないでよ」
ハンドルを握る涼太の横顔は、見た目にもわかる程、頬を紅潮させていた。謝る事しかできない、どうしようもない俺に、焼きもちを妬いてくれているのだろうか。
もし、そうだとしたらこんなにうれしい事は何かもしれない。
病院に俺を置いて、涼太は蓮を連れて、そのまま買い物へ出かけて行った。
昨日の夜から何も食べていない上、体を酷使したことによる過度の過労から、39度の高熱を出したらしい。
座薬を入れますか?と聞かれ、頑なに拒否した。医者とはいえ、これ以上、見せたくなかった。俺の尻は涼太だけのモノだから。
結局、栄養剤の点滴を受ける事になった。
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