51 / 58

償い

涼太は、上に羽織っていた作業着を脱ぎ捨てると、俺の脚を大きく開かせ、すでに半勃ちの俺のモノを咥え、夢中になってしゃぶり出した。 「涼太!涼太!」 あまりの気持ち良さに、腰が勝手に左右に揺れる。 「もっと、もっと、欲しい」 涼太になら、俺の体、くれてやる。 それが、彼を裏切った償いになるなら・・・。 「あぁ・・・っ・・・ん」 体が火照っているせいか、いつもより感じやすい。 意識が朦朧とする中、喘ぎ続け――頭が真っ白になると同時に、意識を手放していた。 (うっ・・・ん) いつの間にか寝ていたらしい。 布団の回りを、ぐるぐると走り回る蓮の足音で目が覚めた。 「どうした蓮!?」 「パパがおきるように、ぐるぐるしてた」 「そうか、ありがとうな。起こしてくれて」 「うん!!パパ、りょうにいにと、おうちいってきたよ」 おうちって・・・って、自分の家だよな!? 「あ”ぁ!思い出した!お袋に電話するの、忘れていた」 息子のお蔭で、すっかり目が覚めた。 「真生と蓮くんの着替えと、花の苗と、幼稚園に提出する書類を取りに・・・ごめんね、言うの遅くなって」 エプロン姿の涼太が顔を出した。 「真生の友達ですって、挨拶して、事情を説明したら、家に入れてくれた。本当は、恋人ですって、言いたかったけど・・・」 「ごめんな」 「ううん、平気。それよりも、ご飯食べよう」 涙を見せまいと、精一杯に笑う涼太がいじらしかった。 お袋や、親父に、ちゃんと、涼太の事紹介しないと、バチが当たる。 涼太が、お盆に、お粥や、焼き魚、漬物などを乗せて、枕元まで運んでくれた。 「涼太は?」 「蓮くんと先に食べたから、大丈夫」 「ハンバーグおいちかった!!」 ニコニコ笑顔の蓮、相当美味しかった様で、ご飯をお代わりした事を教えてくれた。 「蓮、小食で、好き嫌いが激しいから、面倒を掛けてすまんな」 「全然気にしてないよ。むしろ、楽しい。いつも、この家に一人だから」 涼太が、お粥をスプーンで掬い上げ、ふぅ~ふぅ~冷ましながら、口元に運んでくれた。 「俺、一人でも食べられるから」 「食べさせてあげたいの」 そこまで言うならと、口を開け、お粥を一口頬張った。 素朴な味だけど、彼の俺を想う気持ちが、じんわりと伝わってきた。 「なんか、幸せ」 ぽつんと呟くと、蓮が、俺と涼太の間に割り込んで来た。 「りょうにいには、れんの!!」 ちっちゃな恋のライバルは、なかなか手強そうだ。

ともだちにシェアしよう!