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涼太の家族
「被害者5人全員、家出中の女子高生や、中学生。両親は、兄に命令され、善人を装って、どうしたの?悩みがあるなら相談に乗ろうか?そう優しく声を掛け、家に連れ込んだ。兄の為のハーレムを作る為、拘束具で、手足の自由を奪い、監禁し、性的暴行を繰り返し、両親はその手助けをした。うち一人の少女は、逃げる為、率先して、兄に媚びを売り、体を自ら開いた。兄の一番のお気に入りになったその少女は、拘束具を外され、隙を見て逃げ出して、この事件が明るみになり、警察が駆け付ける前に、兄は、両親と、他の少女たちを道連れにして、自宅に放火し自殺した。ここには、両親と兄の遺骨は埋葬されていない。すべて灰になってしまったから・・・僕が、女性を性的に受け付けられなくなったのは、この事件のせいなんだ。真生、ごめんね・・・この一週間、酷い事をして・・・真生を失うのが怖くて、宮尾さんにどうしても渡したくなかったんだ」
涼太は、俺の胸に顔を埋め、声を震わせ泣いていた。
「宮尾さんがいいなら、彼の所に行ってもいいよ。出会ったばかりの僕よりー―殺人鬼を兄に持つ僕よりも、ずっと前から真生の事を好きな彼の事だもの。大事にしてくれる。真生、短い間だったけど、幸せだった・・・ありがとう・・・」
「涼太、お前・・・」
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