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第5話 安堵の表情。

零はドアの前に立っている男性に目をやると『チッ。』と舌打ちをした。 「先輩、それやっちゃダメなやつですよ。」 『俺は壱の体温を測っていただけだ。何がダメなんだ?』 「その機に乗じてキスしようとしてましたよね?ってか、もう名前呼び?ずっと先輩を尊敬して来た俺からしたら信じられない光景なんですけど?」 『尊敬してくれなんて言った覚えはないが?』 先程知り合ったばかりの零と、突然部屋に入って来た男性が自分の事で言い争いをしている姿を見て、壱は困惑しきりだった。 そんな彼を尻目に男は再び口を開いた。 「幾ら今日から一緒に過ごすからって、死神と人間の恋愛なんてタブーって事ぐらい先輩も良く分かってるでしょ?3日後には彼を天界の入り口まで案内するのが仕事なのに、天界にバレでもしたら、先輩一貫の終わりだよ?」 『おいっ!六!』 。。えっ? 零に六って呼ばれたこの人。 今、、何て言った? 彼の事を死神って。。 3日後に俺を天界の入り口に案内するって。。 それって、もしかして。。 「俺、3日後に死ぬの?」 無意識に口から出た言葉に2人が動揺している様子が伺え、疑惑が確信に変わった。 「そっかぁ。俺死ぬんだね。。」 壱はポツリと呟き、何故か安堵の表情を浮かべた。。

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