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6月8日~出逢い⑥~

「ぅっ……」  森岡が低く呻く。  まだ柔らかいそれを口に含み、唾液を絡ませた。すると森岡のものはあっという間に硬くなり、容積を増していく。 「そんなこと、しなくて良いから――」 「まあまあ、一緒に気持ちいいことしようよ。お兄さんの身体で、俺のこと感じさせて」 「一緒……って?」  紫苑は自分のリュックを引き寄せると、そこからローションのボトルを取り出した。 「きみ、何てもん持ち歩いて……」 「セックスするなら必要でしょ?」  ローションで指を濡らした紫苑は、穿いていたサルエルの中へ手を入れ、それを自らの後孔へ(あて)がった。同時に森岡のものを再び咥えてやる。 「ぅ……、ッ」  奥歯を噛み締める森岡の唇からは、堪えきれない吐息が零れた。  紫苑は口腔を満たしているものに熱心に下を絡ませながら後ろを解していく。  最初から難なく二本の指を受け容れられるそこは、今や性器以上に感じるところだ。前立腺を探り当て、軽く押し込むだけで腰が勝手に跳ねてしまう。 「ん、ふ…んっ、んぅ」  口の粘膜を擦られる感覚は何度味わっても心地よい。喉まで呑み込んでもまだ余るそれを、息を吸い込むようにして締め付けた。  次第に森岡の口数も減っていき、『やめろ』という言葉も聞こえなくなる。 「ね……森岡さん、気持ちいい?」 「……何で、俺の名前――」 「表札見たから」 「あ、そうか。――いや、そうじゃなくて…っ、いい加減に」 「なんで? 気持ち良くないの? こんなに先っぽ濡れてるのに」  先走りを滴らせている小さな孔に舌をねじ込むと、森岡の肩がビクッと反応する。 「もうイきたい? 先にイかせてあげよっか」 「そっ、こまで…しなくても――ッ」  彼のことなどお構いなしに先端に吸い付き、頭を上下させて幹を扱く。  じゅぶじゅぶという水音が頭の中まで鳴り響いて、紫苑を恍惚とさせる。  森岡の息遣いが荒くなり、まだ行為を止めさせようとしているのか紫苑の頭に手を添えた。しかしその手に力が籠る様子はない。  紫苑は愛撫にいっそう熱を込め、深くまでその昂ぶりを呑み込んだ。 「――く、ッ…!!」  口の中のものが大きく震え、熱い飛沫が叩き付けられる。  森岡が放ったものはとても粘度が高く、喉にへばりついてなかなか飲み下せない。  唾液と一緒に何とか食道へ押しやると、紫苑は口から顎までを唾液と体液で汚した顔を上げた。 「ははっ、すっごく濃かったよ。お兄さん、溜まってたでしょ?」 「……」 「ねえ、次は俺も気持ち良くして」 「…………」 「――森岡さん?」  返事がないのを怪しく思い、身体を起こして彼の肩を叩く。すると、森岡の首が、がくんと後ろに倒れてしまった。  驚きのあまり、ひッ! っと声を上げた紫苑の眼に、何とも穏やかな顔つきの森岡が映る。 「ちょっと、森岡さん!?」 「……」  返事がない。  紫苑は肩をわなわなと振るわせた。 「お前……寝てんじゃねーよぉおぉおおおおお!!!!!!」

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