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6月9日~一人②~

 もちろん普段から持ち歩いている訳ではないが、これさえあれば一人遊びには困らない。  サルエルを膝まで押し下げてフローリングに座り直した紫苑は、バイブにコンドームを被せ、先程も使ったローションをそれにたっぷりと塗りつけた。正座から軽く腰を浮かせた体勢で、ゆっくりとそれを挿入する。 「んっ、ぁ…はぁぁあぁっ」  無機質な玩具が、身体の空洞を埋めていく。  あっさりとそれを根元まで呑み込んでしまった紫苑は、震える指でバイブのスイッチを入れた。 「ァぁあ、あ……っ、ふあぁ」  まずは軽い振動から。それでも内壁がきゅんきゅんと収縮して玩具に吸い付いている。  気持ちの良いところに当たるよう調整しつつ、振動の強度を上げた。 「あんんぅ、ぁ、はっ…ぁああああ!」 (やば……きもち、い……)  森岡が眠るソファにもたれかかって体重を支えながらバイブを出し入れする。もの寂しい自身も弄っていると、透明な体液が滲んできた。それを塗りつけるように扱くと滑りが加わって快感が増していく。 「くふ、ぅ、ぁ…ぁ、気持ちぃい……ん、あ」  だんだん身体から力が抜けていき、膝で体重を支えるのが難しくなってきた。横座りになるが、しばらくしてずるずると床に横になってしまう。  森岡の精液の味が残る口からは濡れた声が零れ落ちる。 「あっ、ふ…ぅうんんッ」 (も、イきそ……)  自身を擦るスピードが早くなる。くちくちといやらしい音を立てているそこは硬く張りつめ、解放の時を待っている。  紫苑は抜き差ししているバイブのスイッチを最強まで引き上げた。  身に余る快感が全身を包み込み、びくんと腰が痙攣する。 「んぅうう、ぁあ――ぃあぁあああっ!!」  自身がびくびくと震え、白濁が紫苑の手を汚す。  止まらないバイブの振動にまた気をやりそうになってしまった。ゆっくりと引き抜くと、後孔から解放されたそれは床の上でのたうち回る。

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