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6月9日~先手必勝②~

「は……?」  耳を紅くしている森岡を見て、紫苑も我慢が効かなくなってきた。昨夜の意趣返しの意味も込めて、森岡の身体に自分の胸を擦りつける。  すると乳首が彼の胸の下に()れて、何とも言えない快感が襲う。 「は、ぁ…んん、ん」 「しおん、く……」 「ねぇ……ここ、触って? 俺の乳首、きもちよくして……」  紫苑は、自分の肩に置かれていた森岡の手を取ると、密着してた身体を離してTシャツを捲り上げ、弄って欲しいところまで導いた。  硬く尖っている乳首に、彼の手を当てる。 「もう…こんなにしてるのか?」 「悪いかよ……そこ、弄られるの好きなんだ」 「どうしてほしい?」 「――ぎゅってして。抓ってもいい。……舐めてくれたら、もっと良いけど」 「紫苑くんは欲張りなんだな」 「うるさ――ァあ!」  胸の先を摘ままれて喉が甘く鳴る。  まさか本当にしてくれるとは思っていなかった紫苑は、不意打ちに背中を仰け反らせた。 「なんだ……ようやくその気になったのかよ」 「こっ、これは…もう後戻りできないとこまで来ちゃったから……」 「それでもいい。もっと…もっと、触って」 「こう……?」  森岡は恐る恐る紫苑の乳首に指を這わせた。凝ったそこを擦られて、肩がびくんと跳ねる。多くの男の手によって敏感すぎるほどに開発されたせいで、少しの刺激でも反応してしまう。 「あ…、ふうっ……んっ、あ…あっ」  彼は両の乳首を摘まんでは指先で捏ねるように弄ってくる。それがたまらなく気持ち良くて、森岡に手淫を施していた手がいつの間にか止まってしまった。 (やば……足に力、入んなくなってきた……)  視線をどこに向けたら良いのか戸惑って森岡の肩口に額を埋めた。すると、紫苑の様子を伺うように彼が尋ねてくる。 「紫苑くん、気持ちいいの?」 「ん、いい……気持ち、いい……っあ、あァ」 「舐められるのも良いんだっけ?」 「え? ――ぁう! ゃ、あ…ふぁああ」  彼が身体を屈めたかと思うと、すっかり朱くなったそこに吸い付かれた。柔らかい唇の感触に紫苑の身体は打ち震え、とうとう力を失ってしまう。 「危ない!」  だが森岡が、バランスの傾いた紫苑が浴槽の縁に頭をぶつけないように、抱きかかえることで庇ってくれた。

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