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第9話

ぬるん、とスムーズに指が挿入され、曽根崎はその指を抜き差しし始めた。 「あっ、あっ、あっ……いいっ」 「かっわいい声だな。顔も身体も匂いも声も……。そうやって俺らの種を絞り取るんだよな、Ωは」 後孔を曽根崎の指が出入りする度くちゅくちゅと音が聞こえる。 αの種なんて絞り取ったことはない。何もかもが初めてで、あまりの気持ち良さに頭がバカになりそうだった。 「指3本飲み込んでるのわかるか?」 出入りさせて時折ぐるんと孔の中をかき混ぜるように指を動かす。 本来濡れることのないそこは、曽根崎に弄られることで更に濡れ、押し倒されているソファまで濡らした。 「んんっ、そんな、知らな、いぃっ……、もっと、んんっ、や、いやだ……、」 「いいのか?いやなのか?どっちだよ」 曽根崎の指が更に増やされ、ぐっと突き立てられる。 「ひぁっ!!」 ぷしゅっと性器の先端から透明な液が吹きこぼれた。 それが達したのか、何なのか、理解出来ない。性器はずっと勃起したままふるふると揺れている。 「お前ゴム持ってる?」 ゴム? この場合のゴムって、コンドームのこと? 持ってる筈がない。彼女だっていないし、使う予定なんてなかったから。 クラスの男子過半数は持ち歩いているだろうけど、結空にはまだ必要ないと思っていた。 「持ってない……し、本当、はエッチも、したくないっ……、けど、尻の中が……っ」 そうは言いつつも結空は腰を曽根崎に向けて突きだして、強請ることをやめられない。 腰がかくかくと揺れ、快感を貪りたいあまりに、結空は我慢できず自分の性器を握り上下に扱く。 「エロ……。したくないって言っても、身体は正直だよな。俺もヒート抑制剤飲んでるから妊娠はしねーと思うけど。薬飲むと精子の動きが鈍るんだとよ。どうする?お前が決めろ、矢萩。入れて欲しい?俺のこれ。」 曽根崎が片手でズボンの前を寛げて、そこから硬くそそり立つ性器を取り出す。 逞しいその男根からは想像し難い、ふわんと、まるで花のような香りが、結空を誘った。 ーーーずるい。 俺に決めさせるなんて……。 頭が快感を求めて止まない中で迫られた選択。 結空は涙で顔を濡らしながら首を横に振った。

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