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第10話
嫌だっ!したくないっ!したくないのに……!
「んぅ、はぁっ、はぁっ……」
本当に心と身体はバラバラだった。いやだといいながら結空は両手を自分の膝裏にかけ、両足を大きく開き、受け入れる体勢をとる。
死んでしまいたい程、恥ずかしくて、でもやめられなくて、後孔を満たしてくれる曽根崎に期待してぎゅっと目を瞑った。
「いい眺め。んじゃ、ま、一発やっとくか。……なんか変だと思ったんだよなぁ。お前と同じクラスになってから中途半端にΩの匂いがしてたから。お前の匂いに気付いてたのが俺だけだったとしたら、これはもう運命じゃねぇ?運命の番ってやつ」
「うんめ……の……い?」
運命の番。
聞いたことがある。
αとΩの間だけで結ばれる絆のことだ。
通常、αがΩの首の裏側を噛むことで、番というシステムが成り立ち、噛まれたΩは番となったαにしか欲情しなくなる。番という唯一の相手と子を成し得るのだ。
運命の番とは、お互いの存在を感じただけで、身体がお互いを欲してやまず、その姿を見ただけで発情してしまう相手らしい。
けれど結空の状態を俯瞰して見ればわかる。
性の事情で身体が発情するだけで運命の番だったとしても甘い恋愛感情はそこに無いだろう。
確かに結空は今、曽根崎に発情しているが、曽根崎に恋しているわけでも何でもない。
曽根崎の性器を見ただけで大分興奮の度合いは高まってしまったが、これを運命と呼べるのだろうか。
こんなの、違う……。
結空は違う、絶対違う、と首を横に振り曽根崎に訴えた。
「そんなに否定されると余計燃える。お前、俺の番候補に入れてやるよ」
「ふざけ、んなっ!頼まれたって……ごめん、だ、あぁぁっ、んっ」
曽根崎の性器が後孔に押し当てられ、ぐっと孔が押し広げられるのがわかった。
結空は無意識に少し力んで曽根崎を飲み込もうと後孔を収縮させ、ひくつかせた。
ぬぷっと先端が入り込み、そのままぐっと根本まで押し入れられた。
「ふあ、あぁっ……!はぁっ、あぁっ、入れちゃ、やだっ……」
「入れちゃやだ?……ははっ、ほんとお前可愛いな。Ωのくせに生意気で。お前がケツ穴ひくひくさせて、俺のを食ったんだろ?自覚しろよ、淫乱」
曽根崎が大きく腰を動かして、結空の中を激しく擦り奥を突く。
「ひあっ、ぁ、ぁっ、やっ、あぁあっ」
腰を尻に打ち付ける肉と肉がぶつかる音と、結合部分から漏れる体液が絡み合う音と、曽根崎が「可愛い」と言って結空をいやらしい目で見詰める姿と。
それらに囲まれ、結空は何度も達し、何度目かの絶頂を迎えた時、意識を失った。
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