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第66話

「ひゃああっ……!」 結空の身体がのけ反る。 透の長い指が体液を絡ませて中を滑らかに探る。指を根本まで入れてピストンを開始すると、結空が腰を揺らし始めた。 「あっ、……あっ、あッ……」 「奥がいい?」 「んっ、……奥、気持ちいっ、んんっ、……っ」 「それともこっち?」 今度は奥から孔の入口近くへ透の指が移動する。しこりを見つけてそこを刺激する。 「はぁっ、ん、やっ……、」 急激に射精感が強まって結空が身を捩る。 浅いところも、奥も、気持ちよくて我を忘れてしまいそうな程だ。 けれど、指じゃ物足りない。 「透の……入れてっ、んっ、ぁん」 「入れたらしばらく抜けないよ」 「……ん、んっ」 透は避妊フィルムを先に指で中へ押し込める。 直後、後孔にぴたりと熱い塊を宛がわれたのがわかり、思わず結空は息を止めた。 ぐっと透が腰を進めるとゆっくりとそこが透を飲み込んでいくのがわかる。 開かれる痛み、それに勝る充足感と快感。 曽根崎の時には感じなかった、透が相手だという安心感。 「あぁっ、んんーーっ……」 「は、きつ……」 ぽたり、ぽたりと透の汗が結空の腹に滴り落ちた。見上げた時の透の顔が、αの色気を見せつける。あまりにもセクシーで、腹の奥がきゅうっと疼いた。 この男に孕ませられたい。 結空がΩに目覚めて、生まれて初めてそう思った瞬間だった。 喘ぎながら透を見詰める。 透の目がぎらぎらしていた。 いつも優しくて穏やかで、結空を守るばかりで、抱こうとしなかった透。 もしかしたら箍が外れてこうなることを恐れていたのだろうか、と頭の隅で考える。 箍が外れてもいい。 俺は透に、めちゃくちゃにされたいよ……。 「う、ごいて、……とおる」 「うん。乱暴にしたらごめん」 「いい……」 透の腰がゆっくりと抽送を始めた。 奥にガツンとぶつけるように腰をグラインドさせ、その度結空の身体が仰け反る。 送り込まれる熱が激しく結空の子宮口を叩いているのだ。 「ひあ、あっ、あっ、あっ……」 苦しさと気持ちよさの間で揺すぶられ、結空はしきりに喘ぎ、生理的な涙を零す。 「結空、結空……」 段々とピストンのスピードが速まり何度も中を擦られて、結空が一度射精した。 「ああぁっ…!」 「結空のイくとこ、最高に可愛い。もっと、イって」 「あっ、や、待って……」 「ごめん、待てない。ごめん」 透が謝るが、謝っているのは口だけだとわかった。依然、腰使いは激しいままで、終わりを迎える気配は微塵も感じなかった。

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