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第104話
帰宅後は体調不良に加え一日の疲れも付加されて、頭痛はよりひどくなり、吐き気やめまいにも襲われた。
鎮痛薬を飲みベッドに入るともう抜け出せないくらい体は重く、本当にこれが副作用のせいだとしたら医者の言ったとおり薬を一旦中断しなければいけないのだろう。
その晩結空はあまりの体調の悪さに抑制剤を飲まずに眠ることにした。
真夜中、息苦しくて目が覚めた。
体は熱く、尻が湿っている。性器がパジャマの布をぐっと押し上げ勃起している。
結空はベッドから抜け出しカーテンを開けた。
暗闇に浮かぶ月はまん丸だった。
「満月だ……」
ずくんと下腹が急激に重くなり、結空はその場に座り込んだ。
抑制剤を飲まないだけで、こんなに体が欲情してしまうなんて。
何度か経験済みではあるが、やはりΩの発情は強烈だ。
結空の手がパジャマズボンの中へ忍び込み、硬く上を向いた性器を握りこむ。
性器の先端と尻から溢れる体液で下着の中はぐちょぐちょだった。
「はっ、ん……」
滑る性器を乱暴に扱きあげる。握るだけでも腰が揺れてしまう。
その手をスライドさせると鋭い快感が体を駆け巡った。
「ぁん、ん……あっ、ぁっ、んーーっ!」
すぐに達し濡れている手が益々どろどろになる。しかし性器は萎えることなく勃ち上がったまま先端から滑りを零す。
「ひ、やだ、もうっ……、んっ、んっ」
立て続けに2度達したが、足りない。尻を貫き腹の奥深くを突かれたい欲求が高まってしまう。
セックスしたい。
薬を飲まないΩの理性なんて、ガラガラと音を立てて崩れ落ちる瓦礫のように脆く簡単に崩壊する。
我慢できないのだ。
結空は指を2本まとめて後孔へ潜り込ませ、奥を探るように抜き差しし、中をかき回した。
自分の指が透の指だったら、性器を擦る手が曽根崎のものだったら……。
そんなことを想像するとますます興奮して、尻からこぷこぷっと音を立てながら体液が溢れだす。
「あっ、あっ、いやっ、こんな……じゃ、足りない、よぉ……、助けて、透……、そねざき……っ」
ぐすぐすと泣きながら意識が朦朧とするまで指で後ろをかき回し、前を擦り、結空は疲れ果てて再び眠りに落ちた。
翌朝目覚めてからも発情は続いた。
学校は今日だけ休もうと電話連絡を入れた。
授業に置いていかれるのは嫌だった。
同じクラスの恭也にスマホからノートの写しをとらせて欲しいとメッセージを送った。
ベッドに潜り込み、ひたすら自慰で性を発散させる。
何度達しても治まらず気が狂いそうだった。
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