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第138話

結空自身の愛液と透の舌でとろとろに緩みきった結空の後孔に透が指を挿入し、中を探るようにして蠢く。 「結空、どっちでイきたい?奥?それともここ?」 そう言って透の指が入口近くにある前立腺のしこりを掠めるように刺激した。 「い、あっ、あぅっ、あぁんっ!」 その瞬間、結空の腸壁が戦慄き性器から白濁がとぷりと溢れる。射精したのだ。 結空は曽根崎のものを口から離し、蕩けきった表情で甘い声を上げ体から力が抜けたように腰だけを掲げてくたっと伏せる。 「あ、イっちゃった?ごめん、もっと奥弄ってあげればよかったかな」 「ん、ん……、気持良かった、透……」 「あぁ……ほんとに気持ちよさそう、お尻の穴、ぱくぱくしてる……」 うっとりと陶酔感漂う声で透が言った。 「透も、敦も、イってない。挿れていいよ……」 「いや、でも結空、まだ勉強しないといけないんだから、セックスはやめておこう?」 「じゃあ、俺の口と太腿で挟むから……」 思わず口から離してしまった曽根崎のみなぎる屹立を見上げると、 さっきまで鼻と口いっぱいに溢れ返っていた曽根崎のフェロモンを思い出し、また尻が濡れてしまう。 終わりのない欲望との戦いだ。 本当はこんなことをしている場合ではなかった。 あと一月もすれば、受験は本番を迎えるからだ。 やめてしまった塾の穴を透が埋め、思いがけず曽根崎までもが結空の勉強を時々みてくれるようになった。 快楽に弱く流されやすい体質だと自覚はある。それに勝てないこともこうしてしばしばだ。 それ以前にやるべきことがあるというのに、セックスに未練たらたらなのが透達には駄々漏れだった。 Ωの長所でもあり短所でもあると言うところだろうか。 少しでも交わりたいと期待を込めたイヤらしい表情で結空が顔を上げると、顔面に突然ぴしゃっと生温かい液体を引っ掛けられた。 匂いですぐにわかる。 曽根崎の精液だった。 「あ……」 「おら、セックスごっこはおしまいにしろ」 「ちょっと敦ずるい。俺も結空にかけたい」 ごそごそとした衣擦れの音が結空の背後で透が何かしていると伝えるが、曽根崎に拒否された結空の唇はむすっと尖っている。 「ん、はっ……」 すぐに透の熱が籠った色っぽい吐息が聞こえ、透が結空の尻を目掛けて射精する。 透は自分の白い飛沫を結空の尻と腰に塗り広げた。 透もそれで満足したのか、結空の下着とジーンズを穿かせ直して手を洗いに行ってしまった。 「えー……二人ともひどい」 「ひどかねぇ。淫乱」 「い、淫乱じゃない。透と敦が番だから俺の体はこうなるんだろ?違う?」 「だとしても今はまだ発情期じゃねえんだし、気の持ちようでコントロール出来んだろ。ここでお前犯したら朝になっちまう。お前、俺達と同じ大学行きてえんだろ」 「それはそうだけど……」 いつしか曽根崎はただの不良ではなく、特進クラスの成績優秀な生徒として学校に通うようになっていた。 見た目は変わらず、怖い不良のままなのに、それに反して頭がいいだなんて。 「そうだよ結空。進学すればもっといっぱい今よりエッチなことできるよ。俺としては学生結婚もありなんだけどなぁ」 いつの間にか部屋に戻ってきた透が結空の横で結空の肩をぎゅっと抱く。 透の柔らかい唇が結空を慰めるように、瞼を鼻を頬を掠めながら口付けていく。 透の慰めを受けながら、次第に結空の体も落ち着きを取り戻していき、再び勉学に励むことができた。 似たようなことを繰り返しながら、待ってはくれない時間を共有した。 3人は同じ時を過ごすほどに絆を深め、心身共に番としても強固な繋がりを築いていったのである。

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