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第140話

『結空、お疲れ様!今日も疲れてるでしょ?今日は本当に何もしなくていいからね!俺帰りに何か買って帰るから』 透はいつでも優しくて結空の凝り固まった心をいつも解してくれる。 結空はすぐに返信した。 『鍋くらいならすぐ作れるから大丈夫。具材のリクエストある?』 『ほんとにお願いしていいの?』 『大丈夫だって』 結空と透のやり取りが続き、 『肉』 そこへ曽根崎のメッセージが横入してきて結空は思わず笑ってしまった。 『敦!お前少しは結空を労われ!』 『うるせえな。食えりゃなんでもいい。結空の食いたいもんでいい』 何だかんだ未だに雑で口の悪い曽根崎が代議士秘書だなんて信じられないが、彼は彼なりに結空に愛情を注いでいるようだった。 結空も日を追うごとにそれを感じて頬を緩める。 3人で暮らす少し変わった環境に身を投じて数か月。 日々、まだ慣れない仕事で慌ただしく過ごす中、当然のように結空の発情期は月に一度訪れる。 「あ……今日、予定日だっけ……?」 身体の中心がどくんと脈打ち、透と曽根崎を誘うフェロモンを出し始めたことに気付いた。 『ヒート始まりそう。今月は薬飲んでない』 『ほんと?急いで帰るね。敦、お先に(笑)』 『俺も帰る』 『代議士先生はどうすんの?』 『気絶させて帰る』 『もう、嘘ばっかり。結空、無理しないで横になってていいからね』 それを見てまた結空が笑う。 こんなやりとりも透と曽根崎が対立していた高校時代とは嘘みたいにまるで違う。 結空が望んでいた未来が、一つ、また一つと叶っていく。 本当に嬉しかった。 発情の予兆を感じた結空の身体は急速に火照りだす。 「早く帰らなくちゃ……」 発情抑制剤を連用すると眩暈や頭痛、吐き気などの副作用を起こすことがあり、結空は薬を時々抜いていた。 そういう時は決まって透か曽根崎か、2人一緒の時もあるが、抱いてもらって発情を発散させていた。 仕事を始めたばかりということもあって今まで2人には避妊してもらっていたが、最近の結空は仕事ももちろん大事だが子供も欲しいと思い始めていた。 妊娠、出産、育児休暇。今の職場は出産と子育てに対する理解も深く、その点では安心して働ける。 (そろそろ……いいかなぁ) 本格的な発情が始まれば、普通に歩くことすら困難な程、尻が濡れ、性器は勃起しっぱなしで、その欲望に腰が砕ける。 そうなる前に…と、結空は足早にスーパーから帰宅した。 家に入ると欲望に負けないよう気丈に振る舞っていたのが嘘のように腰が折れ、鍋の具材が入った買い物袋もそのままに玄関先で倒れこむ。 「んっ……、んっ……、あッ」 床に擦れた刺激だけで結空の性器が弾け、下着はおろかボトムスにまでじわりと薄い精液が滲む。 尻からもとろとろと愛液が溢れるのがわかって、結空は腕をのろのろと動かして衣服を脱ぎ始めた。 「あ……このままじゃ、全部汚れちゃぅ……。あぁぁ、も、我慢できないよぉ……っ」 衣服を脱ぐついでに結空の理性もすぽっと抜けて、手で自分を慰める。 勃起したピンクの性器を左手に握って、右手の指を3本まとめて後孔に突っ込んだ。 左手で性器を擦り、右手で穴の奥を目がけピストンする。 じゅぶじゅぶと、滑る淫らな音が耳をも刺激した。 「ふっ、あ、あぁッ……、っぁん、あんっ、あんッ……ダメ、足りない、たりないぃっ、んんっ」 自分自身が与える快楽ではあまりにもどかしく、もっと気持よくなれることを知っている結空は、その辛さに涙を零す。 「はやく、かえって、きてぇっ、んッ、んッ」

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