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第3話
「うわ、結構強くなったな」
そうこうしている間にも雨足は強くなり、大粒の雨が降りはじめた。
「あぁ、これじゃ濡れてしまうな」
とりあえずアキラが濡れないように壁になりながら…頷くみずき。
少しの外出だったので傘など持ち合わせていない。避難した場所も横雨で結局濡れてしまう。
もう家まで数分、普通なら走って家までやり過ごすとこだが…
「みずきは先に走って帰ればいいよ、オレ諦めて歩いて帰るから」
アキラは持病の発作が起きる為、走ることができない。
2人ともずぶ濡れになるよりはとみずきに言うが…
「いや、アキラを置いてはいけないから」
「2人でずぶ濡れになる必要はないから、お前走れるんだから走って帰ればそんなに濡れないだろ?」
「なら、俺がアキラを抱えて走るから」
折れそうにないアキラに新たな提案をしてみる。
「え、別にいいって」
「なら一緒に歩いて帰ろう、1人には危なくてさせられないから」
心配性なみずき、夜中だし、独りにして雨の中、事故や誘拐に遭ったらと気が気ではない。
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