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第4話

「はぁ、分かったよ、ここにいてもお前背中濡れるしな」 心配性なみずきにため息をつきながら提案に乗る。 「あぁ、首に掴まって」 「うん」 アキラが首に手を回したのをみて、横から抱き上げて、お姫様抱っこ状態になる。 みずきは細身だが、意外と力はある方で、華奢で女の子のような身体つきのアキラを、軽々抱き上げて… 「顔を伏せていて濡れるといけないから」 アキラの頭をそっと寄せながら… 「じゃ、走るから」 「はいはい」 アキラの返事を確認して、みずきは身体をひるがえし、突然の大雨の中走り出す。 「っ」 転倒に注意しながらしっかり抱きかかえて、自宅まで全力疾走する。 瞬足のみずき、あっという間にアキラの自宅へ到着した。 玄関前の濡れない場所まで来てアキラをそっと降ろす。 「大丈夫か?アキラ」 「ん、平気平気!あ、みずき濡れたな」 みずき染髪の濃い茶髪で少し長めのショートヘアだが直に雨に打たれて、結構濡れてしまってしんなりしている。 「アキラも少し」 短距離でも大粒の雨のため服は上下とも軽く前が濡れ、肩まで伸びるアキラの淡い栗色の髪にも雨の雫がついている。 優しく拭うみずき。 「大丈夫だって、ずぶ濡れになるよりだいぶマシだから」 「あぁ、良かった、さ、入ろう」 「ん、ただいまー、凄い雨だったー」 自宅へ戻り一安心。

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