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第9話
「アキラ…そんなことにはならない、ずっと俺が愛し続けていくから」
華奢な身体を抱きしめて、真剣な想いを囁く。
「…ん、じゃ期待しとく」
みずきの、その言葉も、アキラには絵空事にしか聞こえない…
微笑みながらみずきにキスを求める。
「あぁ、」
しっかり頷くみずき、誘い応じて優しく口づけを交わす。
2人が離れて瞳が重なる。
クスッと微笑むアキラ。
「冷えた身体を温めるには肌を寄せ合うといいっていうしな」
そう囁きながらみずきに寄添い密着する。
「雨の匂いする」
そして不意にぽつり。
「ん?臭いか?」
アキラの行動にドキドキしながら…
みずきは結構髪も濡れてしまっているので、雨に濡れた時の独特な匂いが微かに漂う。
「ううん、雨の匂い、嫌いじゃないかも」
「そうか、よかった」
「ん、髪、濡れると雰囲気変わるよな」
みずきの肩にかけてあるタオルを取り、ややしんなりしている髪を軽く拭く仕種をして、誘うようにソファへ誘導するアキラ。
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