拘束された腕は、あさひさんの首にかけられる。 「乗って」と指示された腿の上。 「よく顔が見える……やっぱり、ふーちゃんは可愛いなぁ」 返答は、あさひさんの口の中に吸い込まれていく。 いつもよりも多く重ねられるキスは、少し強引で。 誘い出されるようにちらりと舌を見せると、あさひさんの笑顔は男らしさが増していた。 舌も、首元も腰も。 あさひさんに撫でられるとピクピク反応してしまって恥ずかしい。 時々腰が揺れてしまい、それに気付いたあさひさんは僕が好きなところに優しく触れてくる。 その優しさが気持ちよくて、吐息の間に声が混じり始めた。 下唇をあさひさんに噛まれて、むにっと引っ張られる。 いたずらっぽく笑うと、一度離してから啄ばむようにキスをした。 「気持ち良いね。体熱くなってきてるよ？」 脱ごうか、なんて言われて手をかけたのはズボンの方。 下着も一緒に膝まで下げられて、余計に身動きが取れない。 それに、あさひさんの腿の上で体育座りのようになっているから触れられない。 「下、っ……全部、脱がせてください」 「どうして？」 「あさひさんと、くっつきたいから……」 はぁ、と上がる息を押さえながらそう言えば、あさひさんは笑顔を向けてくれる。 「いいよ」と言った後で足を片方に寄せられ、スルリとズボンが脱がされる。 下は何も纏っていなくて、上はパジャマがはだけて。 そんな僕を熱っぽく見つめるあさひさんは、少しも乱れていない。 僕だけ、と恥ずかしさを隠すようにぺたりと上半身をあさひさんに預けた。 「もー……どうしたの、甘えたさん。続きしないの？」 「します、したいです。でも、僕だけ脱いでるのが、恥ずかしくて」 「恥ずかしいの？ ……それなのに、ここはそうじゃないみたいだけど」 ここ、と触れられたのは僕のもの。 恥ずかしいのに期待してしまって、僕とあさひさんの差がなぜか嬉しくて。 気付けば起ち上がっていたらしい。 それがあさひさんにくっついた時に当たってバレてしまった。 ふるりと持ち上がるそれを優しく扱かれて、息を詰める。 いつもと違うあさひさんのキスのせいで、僕の気分もいつもより熱い。 気を抜くと声が大きくなってしまいそうだった。 「っはは、どんどん溢れてくる。いつもより早いね」 「あさ、っひさんが！ なんか、違うから……」 「……今日は期待が大きいからさ。ふーちゃんが嫌なことはしないけど……もう一つ、お願いがあってさ」 扱いていたあさひさんの指が、その後ろに回って。 つぷりと入り口に指先だけを入れ、小さく出し入れされる。 「ひぁ、やっ……ん、んー……っ」 「ふーちゃん。この姿勢でさ、自分で挿れて動いてよ」 あさひさんの熱い吐息が、首元を撫でる。 ギラッとした目が一瞬見えて、思わずきゅっと締め付けてしまった。 ……断る理由は、ない。