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宴もたけなわですが……と決まった文句でそろそろ終わりの時間を迎えようとしていた。
数分前にあさひさんには連絡をしており、近くまで迎えに来てもらうことになっている。
遠くから聞こえる「2次会行く人」の確認に僕らはやんわりと首を振った。
その後4人で目を合わせると、ひなたがそっと話しかけてくる。
「……門限?」
「うん。あと迎え待ち」
「俺も迎えに行くって言われた」
僕と肇がそう答えると、ひなたがキラキラと目を輝かせる。
寧はどこか納得するように頷いていた。
「いいね、タイプ違うの分かる感じ!」
「ひなたのとこはちょっと特殊っぽいけどね」
「うーん……やっぱりそうか。あまりいないよね、尽くして着飾って自分好みに仕立てたいDomって」
俯くひなたと「あっ」と思い出したような顔をする寧。
「いるよ、身近に。『俺以外に顔触らせないで』『俺が一番綺麗にするから』って口説き倒した人」
「……すっげーなその人」
思わず出てしまったような肇の驚いた声。
対照的におもしろーい!と楽しげなひなたという不思議な構図。
寧は相変わらずぽやぽやと話を続ける。
「面白いのがさ、言われてる側は全くそれじゃ靡かないの。ほんっと人によってタイプ違うもんだよねー」
「結局その人たちはどうなったの?」
「……今じゃすっごい信頼しあってるよ。私服も髪型もぜーんぶお任せらしい」
みんなで「凄い」と声をそろえる。
そんな風に話をしていると、遠くからあさひさんが歩いてくるのが見えた。
目が合うと、にこりと笑って片手を上げてくる。
やはりスマートなその仕草は、何年経ってもときめいてしまうものだ。
「ごめん、迎えきた」
「あ、そっかー……じゃあ本当にお開きだね。またね、文弥」
ひなたの明るい声に背を押され、3人に手を振ってからあさひさんの方に歩を進めた。
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