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第8話
そんなゆったりとした毎日。
1日一緒に過ごして…一緒にご飯を食べて…一緒に遊びに行って…体を重ね…
「りとさんは何も悪くないよ。りとさんはとても素敵だよ。りとさんはりとさんでしょ?りとさんは優しい。それでいい。りとさんの全部を纏めて好きになる人は必ず現れるし、りとさんも少し先を見据えてみたら好きな人だって出来るはずだよ。あなたは大丈夫。そんなあなたに抱かれたから俺もすごく幸せになれそうだよ」
抱く度囁いてくれる。何てことない誰もが言ってくれる言葉だけどめのさんの言ってくれることはすーっと俺の中に吸収されていった。
そのうち心も軽くなって夏南のことを思う時間も減ってきた。
夏南のことはまだ忘れられそうもないけれどきっともう夏南たちを見ても苦しまずにいられる…
そう確信した
「めのさん。ありがとう。忘れられそう」
「私も…忘れられそうです。りとさんのお陰だね」
「ねぇ。めのさん」
「ん?」
「…大好きです」
「私もです」
そうして夏休み中過ごした場所を出て帰宅した。
笑顔でさよならをした
「ただいま」
「おかえりなさい。璃人」
「母さん。心配掛けてごめんね」
「表情よくなったね。瑪瑙くんにお礼言わないとね。彼ね、明日こちらを発つの」
「え?」
「フランス料理勉強したいんですって。向こうへ行ったら帰らないつもりって…璃人?」
「そうなんだぁ。知らなかった。もっとちゃんと話しておけば良かったなぁ」
少し寂しいけれどそれが彼の夢なら…
いつかまたどこかで出会えたらその時はきっと…
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