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第24話

「福岡さんと相談した。お前は表向きは出向中だが、まだ福岡チームの仕事を継続していて、ホテルにいたのはその捜査の一環だ、ということで、所轄には説明した」と竜崎はさらっと言った。 東城は驚いて思わず聞き返した。 「どういうことだ?」 「福岡さんからの伝言だ。そろそろ気がすんだだろうから戻って来い」 「気がすむって、なんだ。福岡さんは何を言ってるんだ。それに、戻るっていっても、俺の異動は俺の一存じゃどうしようもないことだ」 「お前が、戻るといったら、福岡さんは警察庁の橋詰に要請するといっていた。警視庁にきちんと戻る部署があるんだから、その方がいいだろうということだ。戻るかどうかはお前の意思次第だ」と竜崎は言った。 「どこからどこまでが、福岡さんの伝言なんだ?」と東城は聞いた。 「今の話は全部福岡さんの話だ」 福岡も東城が入院中に病院に来ていた。 上司の刑事部長とともにやってきて、撃たれた時の状況など家族に説明していったということだった。 病室にも顔を出したがその時は東城は意識がなかった。 応対した姉の美音子に後から教えられた。『あなたが前に話してたような横柄で強引な人とはとても思えなかったわ。静かに全責任は自分にあるっておっしゃってたわ。』 その後、福岡に会ったのは異動の説明の時だった。 福岡は東城がよく知っている福岡で、忙しそうにせかせかと東城の挨拶をうけ、まあ、頑張れよとかなんとか軽く言われただけだったのだ。

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