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第37話
広瀬は、路地でしゃがみ込み、傷だらけのスマートフォンの画面を眺めた。
もしかしたら、彼からかけ直してくれるかもしれない。待ってみたが、着信はなく、時間がたつだけだった。
おまけに電池が思ったより早く消費されている。電池パックが古いのだろう。
あの店員が一日はもつ、といっていたが、これでは一日はもたないかもしれない。
電池がなくなってしまったら東城が気づいてかけなおしてくれても、電話にでることはできない。
充電器を買う金はもうないし、クレジットカードで買うしかない。
しかし、光森が発見され刑事事件化していたら、クレジットカードの利用履歴は既に追われているだろう。できれば、クレジットカードは使いたくないが、最悪、仕方ない。
充電器を手に入れたとしても、このスマホの通話できる期間も限られている。
早く連絡を取りたい。
再度、電話をかけたが、また、すぐに留守番電話に変わってしまった。
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