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第38話

気が付くとソファーで眠っていた。時計を見るとすっかり朝になっている。眠ってから2時間くらいたったのだろう。 東城はソファーから身体を起こした。変な姿勢でいたせいで腕や背中の筋肉が痛む。 起き上がると身体をゆっくりと動かしてほぐしていった。 広瀬に撃たれたため、肩の可動域が狭くなっていて、無造作な動きに時々釣るような鋭い痛みが走る。リハビリはしているもののおそらく完全には元に戻らないだろう。 痛むたびにあの時の広瀬の感情のない目を思い出すことになる。東城は顔をしかめた。頭を振って考えを締め出す。 それから深呼吸をした。 昨夜は最悪な気分だったが少し眠ったせいか気持ちは落ち着いてきている。 風呂でも入って着替えるか、と思った。さっぱりして頭の中を切り替えれば、広瀬を探すいい知恵もでてくるだろう。 今日は元々休みの届を出していた。あのホテルで広瀬に会えれば、仕事なんてしている場合ではなくなると思っていたから。 立ち上がってローテーブルを見ると、相変わらずスマホには着信が何件か入っている。 忍沼からのしつこい電話はおそらく広瀬のことを確認する前に救急車を呼んだことへの苦情だろう。 だが、協力者の一人ではあるのだから報告はした方がよさそうだろう。これからも何かと協力してもらわないとならないからな。 腹ごしらえしたらかけるか、と東城は思った。

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