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第50話
どうしようか。東城は何とも思っていないのだろうか。
それとも気づかないふりをしているのだろうか。
「東城さんが、解除したら、ですよね」
東城は当たり前のようにうなずいた。「お前が、外に出る必要はないだろ。ここで、身体を休めた方がいい。お前、痩せたし、顔色もよくないから」
「そうですけど」言葉が上手く出てこない。東城に自分の気持ちをどうやったら説明できるのか。
自由に出られないのは嫌だった。
ぶ厚い壁の家が自分を包んで離さないような気持になる。
口ごもる広瀬に東城は言った。
「ここにいればいい。ホテルで傷害事件を起こした男に追われてるんだろう。ここなら安全だ。それから、お前を追っているのは、ホテルのその男だけじゃない。警視庁もお前から事情を聞きたがっている。大井戸署も、近藤理事の殺人事件関係で、警視庁や山梨県警、検察も関心を持ってる」
それはわかっている。
東城の言う通り隠れている方が安全だ。
だけど、大井戸署のこととなると話は別だ。
「もし、大井戸署に事情を聞かれるのであれば、きちんと話をします」
全ての責任が自分にはある。起こしたことは償わなければ。
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