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第87話

「そうだ。忍沼にも連絡しないとならない。お前が戻ってきたことを知らせなかったら、面倒なことになりそうだ。それに、何かと役に立つ。認めたくはないけど能力はかなり高い」 広瀬はうなずき、忍沼が元気かどうか聞いてきた。 「この前会った時は普通だったよ」と東城は答えた。「怪我はきれいに治ってた」 「そうですか」安心している。 「お前が心配してたって知ったら喜ぶよ。あいつはお前のためにならなんでもする」 「今、連絡しますか?」 東城は少し考えた。電話をしたらどうなるだろう。彼も広瀬に会いに来るというだろう。だめだと言っても彼ならこの家を早晩探り当て、セキュリティも解除するだろう。 「いや、今日はいいだろう。明日、もっと心にゆとりがあるときにするよ」と答えた。

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