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第89話

彼の前でひざまづき舌を出して先端を舐める。 それから、唇を広げ口に含んだ。 全部は入りきらない。頬をすぼませて口の中で優しくしごいた。舌を動かしてくびれをなぞる。 東城が、広瀬の頭の後ろに手をやり、髪をなでてくる。もっと口の中に入るように力をいれてくるので、彼の望み通り、喉の奥まで入れるだけ入れた。 口の中に鼓動が入っているように、熱く脈打ってくる。手をそえて根元をこすり、さらに、片方の手で陰嚢をやわやわとつかんだ。 しばらくして、キュッとせり上がり、口の中に彼の味が広がった。 丁寧に最後まで絞り出してやる。 ひざまづいたまま、上目遣いに彼を見上げた。 東城の視線は強く、顔が上気していた。彼は、広瀬の頭をなで続けている。 それから、両脇に手をいれられて、抱き起された。 「どうして欲しい?」と聞いてきた声はかすれていた。「お前のためなら何でもしてやるよ」 広瀬はわざと舌を出してゆっくりと唇を舐めて見せた。 「東城さんのこと、全部欲しいです」と告げた。

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