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第107話

リビングに置かれた白い丸い時計の黒い針はもうすぐ夜が明けることを示している。 広瀬が自分のところにいると言った後すぐに、忍沼の助けが必要だとも東城は言った。そして、今いる家の場所を忍沼に教えたので、彼は、文字通り飛んできたのだった。 この家を守る厳重なセキュリティが解除されるのをイライラして待ち、忍沼が入ってきた。 広瀬は、こんな風に怒り感情をあらわにする彼を見るのは初めてだった。玄関で、自分よりはるかに上背のある東城に食ってかかっていた。 「どういうつもりなんだ?」 さらに、東城の後ろから顔を出した広瀬を見て、彼はさらに怒った。「あきちゃんをいつ見つけてたんだ?なんで黙ってた?」 東城がなだめるように言った。「こんなとこで怒ってないで、奥に」 「なに?怒るなって?」忍沼は気色ばむ。 東城は困った顔をした。「いや、なんていうか。まあ、少し、落ち着いてくれ」と東城は言った。 そして、忍沼をリビングに案内した。 「なにか、飲むか?」と東城が聞く。 忍沼はローテーブルに置かれた広瀬の飲みさしのバーボンの水割りを見た。「同じものを貰おうか」と言った。

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