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第2話

突然の大雨に、篠田真優(まひろ)は困り果てていた。 アルバイトを終えて帰る途中で、帰るに帰れなくなってしまったのだ。 市内の変電設備に雷が落ちて電車が止まり、次いで、信号機も駄目になり、主要な幹線道路が麻痺してしまった。 「どうやって帰ろう…」 近場の寺の山門で雨を凌いでいるが、濡れた衣服は少しずつ体温を奪っていく。 自転車だから、帰れなくはない。 だが、大雨と連発する雷で気持ちが動かない。 しかも、雷が少しずつ近づいてきている。 ズドン!ビリビリビリ…! 「ひっ!」 雷が近くに落ち、腹の底まで音が響いた。 「………っ」 幼い頃からどうにも雷が苦手な真優は、あまりの轟音に固まってしまっていた。

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