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後日談
約十年振りに再会を果たした雪と真優は、お互いの想いが変わらず…いや、更に深くなっていることを確認しあった。
間違えて消してしまわないよう、携帯番号とメルアド、通信アプリのIDもキッチリ交換して。
周囲が驚く程のラブラブっぷりであった。
そして、今日。
二人は、真優が通う調理師専門学校の一階にあるカフェテリアで待ち合わせをしていた。
「うう…、ゆうのお手製のケーキ、滅茶苦茶美味しい…!」
「え、そ、そう?まだまだ改善の余地ありだと思うんだよなぁ…」
「いやいや、この表面のチョコのパリパリしたとこも、中の層になってるとこのトロトロとか、フワフワとか、堪らない…っ!
幸せ過ぎてもう…っ、最っ高…!」
根治手術が終わってからも暫く甘い物を制限されていたせいか、二十歳になっても甘いものが大好きな雪は、真優が調理実習で作ったケーキを堪能する。
一口食べて感動し、もう一口食べて溜め息をこぼす。
「それにしても、ビックリしたよ。
お互い意外な位近いとこにいたんだもんね…」
「うん。
まさか、斜向かいの大学に雪がいたなんて…」
「高校で調理師免許取って、ここの製菓コースに入ったんだよね。
ゆう、パティシエになるの?」
「いや、その…、来年別のコース受けたくてさ…」
「別の?」
「うん。
最終的にはバリスタ取りたいんだ。
父さんがバリスタでさ、俺もいつか取りたいなって思って」
「そうなんだ…」
ケーキを一口食べ、バリスタ姿の真優を想像する。
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